西新宿小学校の通知表・テスト廃止について

私も卒業した西新宿小学校で通知表・テスト廃止という新しい取り組みをしています。
母校で新たな取り組みなのでできるだけ応援したいですが、
かなり大きな変革ですので今日は冷静にメリット・デメリットと今後とるべき対応をお話しします。

結論

頭のいい子や教育にお金をかけている家庭ではプラスに働く可能性が高い。
一方、普通以下の学力や教育にお金をかけない家庭ではマイナスになる可能性が高いです。

テストをしない小学校は他にもある

それは欧米の小学校です。
正確には計算や暗記というテストではなく1人1人の特性に合わせた主体的な学習を評価しています。

私自身、アメリカやイギリス系の小学校をいくつか視察し、その学校に通う親御さんから話を聞きました。

そして分かったことは、このやり方で重要なのは「教員の能力だ」と言うことです。

その結果、欧米では教員の質が学校の授業料に跳ね返ってしまい。

お金もちしか良い教育にアクセスできなくなってしまっているという現実です。

教員の能力が重要でお金もが有利な理由

「主体的な学習」「特性に合わせた学習」と言うと耳障りはいいですがこれは判断を導くのは非常に難しいです。

「主体的な学習」=やりたいこと:パソコン、音楽、お絵かきなど
「特性に合わせた学習」=得意なこと=稼げること:エンジニア、コントラバス、画家になるための練習など

パソコンが好きだけどエンジニアになれるのか。
また、エンジニアになれるとしてそのための学習内容を提供できるのか。

音楽が好きでコントラバスに特性があるけど音楽家になれるのか。
音楽家になれるとしてコントラバスの特性を見抜けたか。
見抜けたとして学習内容を提供できるのか。

これらは確実に先生の質に依存します。
そのため、欧米の有名校ではGoogleなどの一流企業と小学校の職員の取り合いをしています。
一方、それができない学校は、「主体的な学習」という名の「子供の放置」となっています。

このように考えたとき西小がどちらに傾くか。
とても心配です。

メリットがある子供たちについて

少し大きな話をしてしまったので、西小の状況を踏まえながらメリットのある子供たちについて考えましょう。
受験や賢い子にとって一律の学校のテストや授業は無駄でしかありません。
微分積分が理解できる子や受験で複雑な計算できる子に3桁のかけ算を練習させ続けることは無駄でしかないのです。
また、サッカーや野球、水泳などでプロを目指す子にとっても自由な時間を与えられることはメリットです。

デメリットがある子供たちについて

多くの子供たちはプロサッカー選手などのプロにはなれません。
仮に才能があっても引き上げてくれる環境がおおくの子供たちにはありません。
それでいて勉強の才能がなく、受験もしない子にとって学校のテストや成績は最後の防波堤(セーフティネット)でした。
しかし、今回それが廃止されることにより今まで以上に学力の低い子が排出される可能性があると言うことです。
ちなみに欧米では足し算引き算ができない大人に良く会いますが日本でもそれが実現するのです。
もちろん他の才能を伸ばしてればいいのですが・・・

懸念点

成績表とテストをなくすと教員の業務が減ると考えられていないか非常に不安です。
再三述べているように、実態は逆で先生に求められるスキルは格段に上がります。
生徒の適性を見極めそれに合った学習環境を提供し、次にやることを導いてあげる必要が出てきます。
それを30人の生徒1人1人に合わせてやるとなると並大抵のことではないのですから。
極端な話、子供にITの才能があることをみつけITに関連することをやらせる、
コントラバスの才能がある子にはコントラバスって話じゃないですか。
でもそんな先生は何人いるのでしょうか?

「主体的な学習」をいいわけにただ成績表とテストなくしただけにならないことを祈ります。